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ビジョンなく新卒入社。今では、マグロを通じた社会貢献、地域活性化のために ビジョンなく新卒入社。今では、マグロを通..
PURPOSE of members
わたしが想うPURPOSEとは。
掲載日:2024.4.23
最終更新日:2024.5.23
堀江優衣
YUI HORIE | 海上部
ビジョンなく新卒入社。今では、マグロを通じた社会貢献、地域活性化のために
新卒で入社して海上部へ

私は新卒で入社して3年目で、今は海上部で働いています。神奈川出身ですが、大学生活を静岡で過ごしました。静岡は本当に過ごしやすい土地ですし、人も穏やかだし、まだまだ歴は浅いですが静岡のことが好きになりました。協賛チームであるベルテックス静岡も応援しています!

私が所属している海上部は、マグロを漁獲するための餌を販売しています。マグロの餌については日本でNo.1のシェアです。

他にも船員さんの食料、船を動かすための燃油等の販売など、この業界をサポートするためのトータルサービスを提供しています。私はそこで餌の営業や請求書作成等の事務作業、あとは子どもたちにもっとマグロを食べてもらうためのチャレンジをしています。

海上部のパーパスは「私たちがマグロ業界を先導し水産業を発展させ、社会をより豊かにします。」です。実はこの「豊かにします」のワードは私の想いから提案して採択してもらいました。

働くうちに自分のビジョンの輪郭がはっきりと

正直に言うと、私は特にビジョンがあって入社したわけではありませんでした。おもしろそうな会社だと感じて入社し、営業ができればいいなと本当にぼんやりと思っていただけでした。

だから海上部に配属された時も、配属先に関する希望が叶って嬉しかったですが、「社会をより豊かにする」ことについて想いもせず、餌は売れれば売れるだけ良い、マグロは獲れれば獲れるだけ良いと思っていました。

私が大事なことに気づくことができたのは、入社1年目の出来事がきっかけでした。

ほとんど無茶振りのような形で「静岡県SDGsビジネスアワード」に出ることになり、そこで優秀賞を取ることができました。このビジネスアワードでは、「SDGsを意識した未来をつくる環境ビジネス」が表彰されます。

私たちが表彰されたのは、これまで船上で廃棄されていたマグロの尾の身や胃袋を使った新商品の開発についてです。

おそらく、みなさんあまり食べたことがないんじゃないかと思います。尾の身は刺身よりも価格が安く、必ず売れるという保証もないため、限られた量しか持って帰ることができない船だと船上で廃棄されてしまっていたんです。

でもうまく調理すればとっても美味しい部位です。「捨ててしまうのはもったいない」とまぐろ漁船の方々もその部位を捨てることについて本意ではありませんでした。

 

そこで私たちが、その部分を船から買い取って商品化して子どもたちに食べてもらう。マグロを余すことなく味わうことができ、次の世代にマグロの美味しさを伝えていくことができます。このような活動が社会貢献になると気づくことができました。

実際、私たちが餌を販売しているマグロ漁船は延縄漁(はえなわりょう)といって、網などを使わず、釣りのような漁法でマグロを獲っています。

網を使わないので、まだ育つ前の小さい魚の乱獲には繋がりづらく、タマゴを持つマグロを獲ってしまうことを最小限にできます。

どのような漁法で獲れたマグロが環境に良いなんて普通はわからないと思います。でもこういうことも伝えていければ、消費者の方も「環境に優しい方法で獲られたマグロ」をスーパーで選んでくれるかもしれない。そういう時代にしていきたいなと思います。

それまでの自分は海上部の中でも戦力になれているのか、不安に思っていました。

倉庫などの現場では、男性のように重い荷物を持てないこともありますし、劣等感を感じていたんです。でもやっぱり私の希望で、同じ部署でやらせていただいているのでできない仕事もあるぶん、社会貢献や地域活性化に力を入れていきたいという自分のビジョンが見えてきました。

学校給食でマグロを食べてもらう挑戦

私は本当に、厳しい環境で仕事をして美味しいマグロを獲ってくる漁師さんたちにとても感謝しています。

そしてこの業界に、船員さんたちに恩返しがしたいと思っています。そのために私ができることは、一人でも多くの人にマグロの美味しさを伝えてその価値を向上させること。

それがこの業界を盛り上げ、マグロ漁船の永続に繋がっていくと考えています。

実現していくために、今は学校給食にマグロを出せないかチャレンジしています。子どもたちが食べやすいように加工業者さんたちとも協力しています。

SDGsについて考えるようになったあと、やっぱり子どもたちにマグロを食べてもらいたいと思ったんです。

子どもの好きなものってハンバーグやからあげなどが代表的だと思うのですが、いつかマグロがその中の1つになればいいなと思います。

ただ、給食にマグロを出すのも一筋縄ではいきません。骨と皮を取り除く加工が難しかったり、生ものであるために食中毒の問題もあります。その課題をしっかりと同じ想いを持つ地元の加工業者さんたちと協力してクリアして、子どもたちにもっとマグロを食べてもらいたいですね。

海上部はこれまでの歴史や先人の方々のおかげで、素晴らしい事業になっているのだと思います。

シェア率が日本ではトップであったり、餌以外にも船の操業に必要なものをトータルサポートしていて、船が港に入ってきたら海上部のみんなで駆けつけて一緒にごはんを食べたりもします。「マグロ業界を支える」という目標に対してかなり理想的な状況にまで近づいているんじゃないかと思っています。

ただ、マグロ業界はやっぱり男性社会で成り立っているところも多くて、人手不足の中でなかなかポテンシャルが伸びていきづらい状況です。

IT化もあまり進んでいなかったりするので、私たちが一緒になって働き方を改善していくことで、業界としてもっと盛り上げることができると信じています。

また静岡市や清水への貢献も更に増やしていきたいです。マグロ祭り(清水マグロ博)への参加や、マグロがモチーフのキャラクター「つなぐくん」の絵本を配るといった活動もやっています。持続的に仕掛けられるようにしていきたいですね。